【レポート】クラウド移行戦略立案と推進組織組成のポイント #AWSSummit
はじめに
大阪オフィスの川原です。
みなさん AWS Summit Online 楽しんでいますでしょうか。
本記事は AWS Summit Onlineの セッション クラウド移行戦略立案と推進組織組成のポイント
のレポートとなっています。
クラウド移行成功のためのプロセス、重視すべきポイントなど分かりやすく説明されていました。
セッション概要
スピーカー
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 エンタープライズ営業統括本部 エンタープライズプラットフォーム部 部長 / エンタープライズプラットフォームスペシャリスト
松山 雄一郎 さん
概要
既存システムのクラウド移行=オンプレミスの環境を単純にクラウド環境に動かすこと(リホスト) ととらえられることがあるが、選択肢はそれだけではありません。 どのような選択肢があるかを理解し、戦略を立て、最適な道筋を選ぶことこそが 移行によるビジネスの価値を最大化する近道だと考えています。 本セッションでは、クラウド移行戦略と推進組織についての具体的な考え方をご紹介します。
セッション視聴のリンクは こちら
セッションレポート
アジェンダ
- アジェンダ
- なぜいまクラウドマイグレーションなのか
- どのようにクラウドマイグレーションを進めればよいのか?
- まとめ
特に聞いていただきたい方々
- クラウド導入の検討を これから行う予定 の方
- クラウド導入の検討を 始めてまだ日が浅い 方
- 特に クラウド推進組織 に属する方や 企画 の方
クラウドマイグレーションへの牽引役
- お客様と話していて、主に 8テーマが上がってくる
- 俊敏性やスタッフ生産性向上
- EOSLからの脱却
- セキュリティと運用改善
- コスト削減
- データセンター統廃合
- グローバル展開 M&A対応
- デジタルトランスフォーメーション
- IoT and AI/ML
- よく聞くテーマは「コストの削減」
- ほか、「企業自体の俊敏性を向上」、「EOSLからの脱却」、「DX推進のため」も多くいらっしゃる
DXの勘所
- システムの領域は以下の 3つ
- SoE: モード2。変化に強い、俊敏性重視
- SoR: モード1。今までの社内システム、古くなったIT資産。阻害容認にならないようにする
- SoI: SoE と SoR を突き合わせて、より高度な意思決定を行う
海外の移行プロジェクト事例
- 海外の移行プロジェクト事例
- 5500 以上のインスタンスを 9ヶ月で移行
- 56のデータセンターを 6箇所に集約
- 極めて早い、かつ大規模
- 日本では最低でも 2年、長くても 5年は掛かっている
どのようにクラウドマイグレーションを進めればよいのか?
- 大きく 6つの観点で進めていく必要がある AWS Cloud Adoption Framework(CAF)
- Tech: アーキテクチャ/システム開発
- Tech: 運用統合/最適化
- Tech: セキュリティ
- Non-Tech: IT戦略/ビジネス効果
- Non-Tech: ヒト・組織/文化・風土
- Non-Tech: ガイドライン/計画
- 70%の課題は Non-Tech
- 技術的でない、ビジネス的な検討を多くしないといけない
- Non-Tech 領域は個社ごとに状況が異なり、自ら解決しないといけない
全体を俯瞰しながら進めることが重要
- 縦軸は CAFの 6カテゴリ、横軸は 4ステップ(アセスメント・プランニング・マイグレーション・モダナイゼーション)
- 6カテゴリで各ステップを考えることが大事
長期にわたる移行プロジェクト成功のポイント
- CxOなどリーダーによるコミットと社内外への宣言
- トップが何のために、どのようなゴールに向けて進めるか、ちゃんと社内外へ宣言する
- トップダウンでの計測可能なゴールの設定
- プロジェクトがうまくいっているか、常に計測する
- 移行プロジェクトのリーダーの任命、クラウドチームの設立と教育
- トレーニングを行っていく
- このチームに大胆に権限移譲することが大事
- チームに全てのナレッジが溜まり、意思決定を回す役割を持つ
- 早く沢山経験を積む(検討しすぎない)
- 失敗したときも失敗から学べる
マイグレーションプロセス
- アセスメント
- 主にコスト。現状を知る
- プランニング
- マイグレーションを始めるための準備期間
- 計画を建てるだけではない
- ガイドライン、運用、セキュリティの設計など
- マイグレーション & モダナイゼーション
- 実際の移行作業
- 測定可能なゴールを設定する
- パフォーマンス計測 … システム、コスト、スピード: KPIを定める
マイグレーションアセスメント
- 自分たちがどの状態にあるのかを評価
- AWSで 80程の質問を使った移行アセスメントを実施可能
- 具体的なゴールを示す
- コストの試算
- 「移行準備状況の可視化」と「経済的効果分析(TCO評価)」
- クラウド移行で副次的な効果(生産性・堅牢性など)がでてくる
- AWSでクラウドメソドロジーを提供
- 生産性・俊敏性などを金額として計測、アセスメントに役立てる
- クラウドベンダー選定
- 個々の機能、金額の評価だけではない
- 業界での評価やコミュニティなど、総合的な視点で選定を行う
マイグレーションプランニング
移行パスをどう決めるか が特に重要
- 7R: 7つの移行パス
- リロケート: VMWare Cloud on AWS で動かす
- リホスト: 構成を変えずにLift and Shift
- リアーキテクチャ: 完全に作り変えてしまう
- など
- 移行パスの決定が移行の要
- 7Rの決め方
- クラウド移行難易度 + 移行適合度から移行パスを決定する
- クラウド移行チーム(CCoE: Cloud Center of Excellence)
- 最低 5人ほど、インフラ部門だけでなく様々な部門を早めに巻き込む
- リーダーはビジネス寄りのアプローチも必要
- CCoE中心となって社内の他メンバーのトレーニングを行っていく
マイグレーション & モダナイゼーション
- 例: CloudEndure を使ったマイグレーション
- 簡単なセットアップ、ほぼ無停止
- 全てのAWSユーザーが無償で使用可能
- Lift and Shift で有用
まとめ
- 全体を俯瞰しながら進めることが重要
- プロセス以下は「アセスメント → プランニング → マイグレーション & モダナイゼーション」
- まずは以下から始める
- オンラインアセスメント(CART)の実施 or AWSから移行アセスメントを受ける
- 移行前、移行後のITコスト、スタッフ生産性、サービスレベル、事業価値向上のコスト算出
- まずは始めてみる!
おわりに(所感)
クラウド移行戦略立案と推進組織組成のポイント
セッションレポートでした。
クラウド移行を成功させるためには、様々な観点でアセスメントをする必要があることが分かりました。 現状のアセスメントや、移行方法の 7R決定など、 クラウド移行への道のりは容易ではありません。 そのためにも フレームワークの活用や CCoEのチーム編成が必要になってきます。 本セッションはクラウド移行成功のためのプロセス、組織編成のポイントを網羅的にカバーしています。
以上、クラウド移行成功に向けたポイントがまとめられている良いセッションでした。 是非実際のセッション動画もご視聴ください。
セッション視聴のリンクは こちら